駆逐艦『島風』(SHIMAKAZE)1943


駆逐艦『島風(U)』
製作仕様  就工時仕様(昭和18年5月)第11水雷戦隊所属
使用キット  ウォーターラインシリーズNo.409 タミヤインジェクションキット
製作期間   2012年1月建造開始 2012年2月竣工
※参考文献 学研『太平洋戦史シリーズNo.19 水雷戦隊U 陽炎型駆逐艦』
        光人社 『日本海軍艦艇写真集 17 初春型・白露型・朝潮型・陽炎型・夕雲型・島風』
             『図解 日本の駆逐艦』 他



 水雷戦隊主軸の魚雷駆逐艦『甲型駆逐艦』からより高速になった列強海軍の戦艦に対抗するために『丙型駆逐艦』として計画された試作艦がこの『島風』です。
『天津風』に搭載した高温高圧ボイラーをさらに改良し、軸馬力52000HPから75000HPを目標に計画され、船体はそれまでのノウハウを最大限に生かしてコ
ンパクトに纏め上げられました。艦首はよりダイナミックな形状を持ち、竣工公試時の写真の艦首波はそれまでの35ノット艦とは全然違って見えます。
 最高40.9ノットをたたき出し、世界最速の駆逐艦として完成しました。

 『島風』はその兵装も特徴的で5連装魚雷発射管を3機装備し、15射線という驚異的な雷撃能力を搭載しました。まさに水雷攻撃のための集大成と言える駆逐艦でした。竣工後すぐに第11水雷戦隊所属となり、千島方面での作戦に従事しましたがその高速を期待されて南方に転属。第2水雷戦隊直属艦としておもに輸送に従事することとなります。
 大戦中結局その雷撃能力を発揮することなくフィリピン諸島オルモック湾での輸送作戦中に米艦載機の攻撃を受け昭和19年11月その短い生涯を終えました。
 攻撃中の米軍機が撮影した最後の『島風』の写真が有名ですが、まさに翼をもがれて息も絶えつつあるアラワシの様でなんとも痛々しいですが(;;)



 今作品は竣工時のすっきりした感じを考えて製作しました。個人的にはこの世界にずっと前に復帰したときに実は最初に作ろうと思った船です。そのときは製作スキル
がまったくといっていいほどなかったので塗装をしたあたりでどうしようなくなって中断した事があった船です。今回なんとも気持ちを込めて製作して仕上たつもりです。
 当工廠のトレードマークにしている信号旗を今回はつけました。

 キットはウォーターラインシリーズ、WL-409のタミヤのキットがベースキットになります。発表されてからかなりの年月がたっていますけど名キットですからやはりすばらしいですね〜。このキットだけ船底板がバラスト一体のダイカスト製で当時非常に珍しかった記憶があります。プロポーションは申し分なくいわゆるタミヤスタンダードの良さが随所に出ています^^キットは最終時をプロトタイプとしているので後部機銃座を探照灯台に作り直す必要がありますが、そのほかシルエットも特徴を良く捉えていると思います。

 主砲等は今回ピットロードのパーツセットを丁寧に修正してD型砲を表現してみました。砲身は海魂の金属砲身です。ジャッキステーや排風窓などはレインボーのエッジングパーツを流用しました、サイズがぴったりなので非常にいいです。魚雷発射管はこの『島風』のみの零式五連装発射管なのでキットのパーツを出来る限りデティールアップしてみました。

 マストは前部は真鍮線でくみ上げて、中段の22号電探は滑り止め鋼板と穴あき三角板、エッジングトラスを利用して作りました。重雷装駆逐艦ということで、表現の一つに魚雷運搬台車と魚雷を載せてみています。

 艦橋には駆逐艦では『島風』のみ装備された遮風装置をプラペーパーで表現してみました。ボートダビッドも変則的な配置でしたのでカッターは左右で表現を変えてみました。

 ざっとこんな感じです。

 最後に当工廠お決まりのアングルです^^



 以上ご覧頂きましてありがとうございました。

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